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パーフェクトチャイルドという言葉を聞いたことがありますか？
Perfect Childを直訳すると”完璧な子ども”になりますが、一体どういう意味なんでしょう？

パーフェクトチャイルドとは？

パーフェクトチャイルド、またはパーフェクトベイビーと表現されることもありますが、親が子どもに対して、子どもらしく元気に明るく活発に行動的で、聞き分け良くいたずらなどをせず、宿題をきちんとこなし、成績も優秀で良い学校へ進んでほしい、完璧ないい子に育ってほしいという親の願望を表す言葉として用いられるようになってきています。

パーフェクトベビー願望（パーフェクトベビーがんぼう）またはパーフェクトチャイルド願望（パーフェクトチャイルドがんぼう）とは、身体に障害などがない五体満足で、かつ勉強や運動も優れている、完全な（Perfect）子ども（baby・child）が欲しい、という親の願望である。

weblio-パーフェクトベビー願望

また、パーフェクトチャイルドよりも、パーフェクトマザーという方が、より的確にこの現象を表しているとする意見も出てきています。

例えば、教育社会学者である広田照幸先生の著書『日本人のしつけは衰退したか』（講談社）の中で、以下のように表現されています。

人格形成の側面を無視してわが子の学歴取得のみに狂奔する親もいないわけではないが、多くの母親たちは、「人格も学力も」という全方位型の教育関心を持っている。一昔前に戯画化されたイメージで語られた「教育ママ」というよりは、むしろ、以前よりもはるかに多くの母親が、パーフェクト・チャイルドを作り上げるべくパーフェクト・マザーを目指すようになった、というイメージの方が、事態を的確に示しているだろう。

広田照幸著|日本人のしつけは衰退したか

ここまで多様性が叫ばれる中でありながら、子どもたちは親から完璧を求められ、親にとっても完璧な子どもを育てなければならないという強迫観念のようなものが、蔓延しているのかもしれません。

パーフェクトチャイルド願望の危険性

先ほど挙げたようなパーフェクトチャイルド願望を持つと、子どもの成長を実感できずに、型に合っているかどうかばかりに気を取られてしまい、正しく子どものことを見れなくなってしまうかもしれません。また、きちんと育てられない自分を責めてしまって自己嫌悪に陥るケースも出てきています。

これらのパーフェクトチャイルド願望を抱く親の傾向として、優秀な親であればあるほど高いということもわかってきています。
あらゆる情報が簡単に入手できる中で、子育てに正解を求め、子供の成長についても、他者と違うことを許可できずに、「なんでうちの子はできないんだ」と責めてしまうことに繋がってしまうのです。

もう大丈夫！満月理論で考えよう！

日本の教育で長い間取り入れられてきたのが減点方式での評価です。

もしかしたら、親自身が減点方式での教育を受けてきたから、自分の子どもを見ても、「ここが出来ていない」「あそこがダメだ」と、”足りないところを探す”ことを習慣的に行ってしまうのかもしれません。

そういうときに役に立つのが満月理論と呼ばれる理論です。

満月理論は、YSこころのクリニックで院長を務める宮島 賢也さんが治療にも用いている理論です。

満月理論では、月はそもそもが「まんまる」であり、三日月など欠けた月に見えていても、実は「まんまる」である。欠けているように見えるのは自分の目を通してそう見えるだけで、もともと人はみんな満月のように「まんまる」であるとするものです。

この理論の本質は、「この人は満月だ」と思いこむのが大事だ！ということではなく、「人はもともと満月だ」と知ることにあります。

もともとがまんまるであることを知ることで、例えば、得意不得意がある相手であっても、それをすべて含めて、まんまるであることを理解ができ、足りない部分ばかりに囚われなくなります。

教育とはもしかすると、何かを教えることではなく、まんまるな月の中で光の当たっていない部分を見つけ出し、そこに光を当てることなのかもしれませんね。

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（参考）
01_weblio｜パーフェクトベビー願望
02_広田照幸著|日本人のしつけは衰退したか
03_東洋経済オンライン｜親が子を｢欠けた月｣と見るから不幸せになる