集中力ってどうやって育てるの?
「うちの子は遊んでばっかりで、全然勉強しない!」そんな不安を抱えている親御さんも多いかもしれません。
しかし、実際には”遊び”が子どもの集中力を育む重要な役割を果たしているのです。
この記事では、遊びに夢中になる力がいかに集中力に通じているのか、そしてピグマリオン効果を利用することで、子どもの自己認識を高める方法について詳しく解説します。
ピグマリオン効果!?なんだか難しそう・・・
ピグマリオン効果とは?
ピグマリオン効果とは、他人からの期待や信頼が実際にその人の能力や行動に影響を与える現象を指します。
つまり、他人から期待された分だけ人は成長するともいえるでしょう。教育の場面では、教師が生徒に対して高い期待を持つと、その生徒の学業成績が向上するという研究結果が知られています。
このピグマリオン効果を子育てにも応用することで、子どもの集中力を育むことができるのです。
ピグマリオン効果の実験
ピグマリオン効果に関する最も有名な実験は、1968年にロバート・ローゼンタールとレノア・ジャコブソンによって行われました。この実験では、小学校の教師たちに、ランダムに選んだ一部の生徒について、「知能テストの結果、彼らは今後大きく成績が伸びる」と伝えました。
実際にはその生徒たちは知能テストの結果が良かったわけではなかったにもかかわらず、教師の期待が高まったことで、彼らの成績は本当に向上したのです。
この実験は、教師の期待が生徒のパフォーマンスに強い影響を与えることを示し、ピグマリオン効果の存在を証明しました。
ピグマリオン効果を活用した集中力の育て方
1. ポジティブな言葉かけ
遊んでばかりいる我が子を見ると、「宿題はやったの!?」「遊んでばっかりで集中力がないわ!」と否定的な言葉をかけてしまいがちです。
そこでグッとこらえて、「そんなに集中してるってことは、すごい集中力があるんだね!」と認めてあげることで、子供は自分は集中力があるんだ!という認識を持つようになり、勉強でも集中力を発揮することに繋がります。
まずは、子どもに対して「あなたは集中力があるね」「本当に夢中になってるね」といったポジティブな言葉をかけることで、子ども自身が「自分は集中力がある」と認識するようになります。
これがピグマリオン効果の第一歩です。
2. じっと見守ることも大事
ついつい子供が何かをしていたら、大人は口を挟んでしまいがちです。
たまにはじっとこらえて、子供の集中している姿をじっくりと観察しましょう。
お察しの方もいるかもしれませんが、子供に話しかけることで、集中を途切れさせてしまうことになると、せっかくの集中の機会を阻害してしまう恐れがあるからです。
3. 親自身の意識を変える
ピグマリオン効果は、人からの期待に応じて、効果を発揮するものですので、親自身の意識が重要です。
親が本心では集中力がない!と思っている状態で、嘘の言葉で「集中力があるね」と伝えたところでは、効果は薄くなってしまいます。
普段の行動や生活の中で、小さなきっかけでも良いので、本心から「集中力があるね!」と思えた出来事を認め、その子が本当に「集中力がある」ということを思い込むことが大切です。
遊びが集中力を育てる理由
では、遊びがなぜ子供の集中力を育むのかを、もう少し詳しく見ていきましょう。
前回の、”夢中に遊ぶことで学ぶ力が身につく!?”の記事でも詳細は説明しているので、気になった方は是非一読してみてください。
1. 自発的な興味
子どもは自分が興味を持った遊びに対して自然に集中します。
この自発的な興味が、集中力の基盤となります。例えば、ブロック遊びや絵を描くことに夢中になることで、子どもは時間を忘れて集中する経験を積むことができます。
やらされではなく、自発的な行動だからこそ没頭でき集中力に繋がります。
2. 挑戦と達成感
遊びを通じて、子どもはさまざまな課題に直面し、それを乗り越えることで達成感を得ます。
この過程で、集中力や問題解決能力が養われます。例えば、パズルを解く遊びでは、子どもは集中して考え、試行錯誤を繰り返すことになります。
逆にあまりにも簡単すぎると、つまらなくなってしまいます。
適度なストレスがあり、それを乗り越える達成感があるからこそ集中が生まれます。
3. 楽しさと報酬
楽しい遊びは、脳内でドーパミンを分泌させ、これが集中力を高める効果を持ちます。
遊びが楽しいと感じることで、子どもはより一層その活動に集中するようになります。
楽しさなどの報酬がない行動であれば、継続は難しいことは大人でも同じでしょう。
まとめ:集中力を生み出すピグマリオン効果
遊びを通じて集中力を育むことは、子どもの成長にとって非常に重要です。
遊んでばかりいることを叱ってばかりではなく、ピグマリオン効果を意識し、ポジティブな言葉かけや自身の思い込みを変えることを通じて、子ども自身が「集中力がある」と認識することが、成長への第一歩となります。
親としてのサポートを忘れずに、楽しく効果的に集中力を育てていきましょう。
集中力を育むために、あれしなさい!これしなさい!と言うことって、あまり効果はないのかも?
子供の可能性を信じてポジティブにかかわるからこそ、開く可能性もあるのかな。