探究学習は、子供たちに自ら課題を見つけて考え、解決策を探る能力を育むために推奨される教育法です。しかし、その一方で、デメリットや注意すべきポイントも存在します。
本記事では、探究学習のデメリットを中心に、その注意点と対策について詳しく解説します。
探究学習って良いことばかりだと思ってたけど、注意することもあるんだね!
探究学習のデメリット
1. 指導の難しさ
探究学習は、教師や親が指導するのが難しい教育法です。子供が自主的に学ぶ姿勢を育むためには、適切なサポートと指導が必要です。しかし、探究学習の特性上、具体的な答えがない課題が多く、教師や親もどう指導して良いか分からない場合があります。
具体的には、子供が自分で興味を持つ課題を選び、その課題について深く探求するプロセスが求められます。教師や親は、この過程で子供に対して質問を投げかけ、考えを広げる手助けをする必要があります。
しかし、探究学習の課題は一つとして同じものがないため、指導者側もその都度対応を考えなければならず、非常に労力がかかり、それだけ要求される能力も高くなります。
中途半端に、プロジェクトなどを始めても、指導者側に能力がなければ、探究学習に期待する効果が出ない恐れがあります。また、途中でプロジェクト自体が頓挫し、せっかくやりたいテーマとして考えていたものが実現せず終わってしまっては、子供の自主性の芽を摘んでしまう恐れまであります。
対策:
教師や親などの指導者側は、答えを用意することはせず、子供と一緒に答えを見つけていく姿勢が重要です。具体的には、子供が自分で調べた情報をもとに議論を行い、さらに深く掘り下げる手助けをすることが効果的です。また、探究学習に取り組む前に、どのように指導を行うかのガイドラインや事前準備をしっかりと整えることも重要です。
2. モチベーションの維持が難しい
子供によっては、自由度が高すぎると逆に何をして良いのか分からず、モチベーションが低下することがあります。特に、目標が明確でない場合や、途中で困難に直面した場合には、やる気を失うことがあります。
探究学習では、子供が自分で興味を持つ課題を見つけ、それについて自主的に学んでいくことが求められます。しかし、全ての子供が同じように興味を持ち、積極的に取り組むわけではありません。特に、課題が難しいと感じたり、思うように進まなかったりすると、子供は簡単にやる気を失ってしまうことがあります。また、結果がすぐに出ない場合や、フィードバックが適切に行われない場合も、モチベーションの低下を招く原因となります。
対策:
探究学習の課題設定時には、子供と一緒に具体的で達成可能な目標を設定しましょう。小さなステップを踏みながら進めることで、達成感を感じやすくなります。
また、進捗状況を定期的に確認し、小さな成功体験を積み重ねることで、子供のモチベーションを維持する手助けをします。
3. 時間と労力の負担
探究学習は時間と労力がかかるため、他の学習や生活のバランスを取るのが難しくなることがあります。特に、長期間にわたるプロジェクトの場合、子供の負担が大きくなりすぎることがあります。
具体的には、探究学習のプロジェクトは調査、実験、分析、報告といった複数のステップを含むことが多く、これに必要な時間と労力は非常に大きいです。また、予想していた見積もり通りに行かず、大きく計画から外れてしまうと、学校の授業や他の習い事、家庭での時間との調整が必要となり、子供や親にとって大きな負担となる可能性があります。
対策:
時間管理をしっかりと行い、探究学習の時間と他の活動のバランスを取るように心掛けましょう。しかし、時間管理をするにも、新しく始めることであると見積もりからずれることも多いでしょう。
余裕のあるスケジュールを作成し、無理のないカリキュラムで進めることが大切です。親や教師は、子供の負担を軽減するために、必要なリソースを提供し、効率的に学べる環境を整えることが求められます。
4. 過度のプレッシャー
探究学習は自主性を重んじるため、子供が自分で課題を解決するプレッシャーを感じることがあります。特に、結果を求められる状況では、ストレスを感じやすくなることがあります。
探究学習では、自分で課題を見つけ、それを解決する責任を持つことが求められます。
これは大きな学びの機会であると同時に、子供にとっては大きなプレッシャーとなることがあります。特に、発表などがある場合、親や教師から高い期待を感じ、同級生と比較される状況などでは、そのプレッシャーが一層強くなることがあります。また、結果が思わしくない場合には、自己評価が低くなり、さらなる学びへの意欲を失う原因となります。
対策:
子供に過度なプレッシャーをかけないように注意しましょう。結果よりも過程を重視し、努力や挑戦する姿勢を評価することが大切です。失敗も学びの一部として受け入れ、サポートしてあげる姿勢が求められます。親や教師は、子供が安心して学べる環境を提供し、困難に直面した際には温かく励まし、次の挑戦に向けた支援を惜しまないようにしましょう。
親としてできること
探究学習を取り入れる際には、親として子供の成長を見守りながら、サポートすることが大切です。
積極的なサポートではなく、いつでも見守っているという姿勢を持ち、子供が困難に直面した時やモチベーションが下がった時、ヘルプの声を出した時には、優しく寄り添い、共に解決策を見つける姿勢が求められます。
困る前や、困ったらすぐに助ける のではなく、子供が自身の考えや感情を素直に表現できる環境を作りながら、待つことが重要です。「困ったらいつでも頼っていいからね」とメッセージを伝えながら、「失敗しても良いから精一杯やってごらん!大丈夫だよ!」と温かく見守ることが重要です。
具体的には、子供の話をしっかりと聞き、共感することで信頼関係を築くことができます。
また、子供が自分で考え、決定するプロセスを尊重し、必要な時にはアドバイスやサポートを提供しましょう。親が過度に介入するのではなく、子供が主体的に学べる環境を整えることが探究学習の成功につながります。
探究学習って、チャレンジがいっぱいだけど、その分、乗り越えられたらすごい自信につながりそうだよね!
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参考文献
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