はじめに

「子どもは褒めて伸ばすのがいい」とよく聞く一方で、「叱らなきゃいけない時もある」と悩む保護者は多いものです。
でも最近、「褒める」でもなく「叱る」でもない、“承認”が何よりも大切だという考え方が注目されています。
- 「承認ってどういうこと?」
- 「褒めることと何が違うの?」
- 「家庭でどうやって実践すればいいの?」
そんな疑問を持つ方のために、この記事では、「承認」の意味と、子育てにおける具体的な実践方法について、心理学的な視点も交えて、わかりやすく解説します。

「すごいね!」って褒めるよりも、「見てるよ」って伝えることが、子どもの心に届くことがあるんだよ!
「承認」とは何か?
1.「承認」は存在を認めること

「承認(しょうにん)」とは、相手の存在・行動・感情をそのまま受け止め、認めることを意味します。
承認は、「あなたがそこにいていい」「あなたをちゃんと見ている」「あなたは大切な存在だ」と伝える行為。
これは、褒めたり叱ったりする前に必要な土台ともいえます。
2.承認と「褒める」「叱る」の違い

| 内容 | 主な目的 | 子どもへの印象 |
|---|---|---|
| 褒める | 成果・結果を評価する | 頑張った時はうれしいが、続かないと不安になることも |
| 叱る | 望ましくない行動を注意する | 萎縮・反発を招くこともある |
| 承認 | 存在・感情・行動そのものを認める | 「自分は大切にされている」と感じる |
なぜ「承認」が子育てにおいて重要なのか?
1.自己肯定感の土台をつくる

「承認されている」と感じた子どもは、「自分はここにいていい」「認められている」という安心感を持ちます。
この安心感が、自己肯定感や自信の基礎になります。
逆に、褒められたり叱られたりだけだと、「条件付きの評価」として受け取られがちです。
✅ 承認=無条件の「見守っているよ」のメッセージ
2.親子の信頼関係が深まる

「子どもの話をちゃんと聞いている」「気持ちを理解しようとしている」
そんな親の姿勢が伝わると、子どもは心を開きやすくなります。
反抗期や思春期にも、承認の習慣があると親子の会話が断絶しにくくなります。
3.挑戦する力を育てる

承認されている子どもは、失敗を恐れずに新しいことに挑戦できます。
- 失敗しても大丈夫
- 自分の存在が否定されるわけじゃない
という安心感が、”主体性・チャレンジ精神・レジリエンス(回復力)“につながっていきます。
どんな場面で「承認」ができる?
承認は、特別なシーンだけでなく日常の中で自然にできることです。
以下は具体的な承認の方法です。
1.「見ているよ」「知っているよ」と伝える
例:
- 「今日は自分から支度してたね」
- 「帰ってきたときの顔、疲れてたね」
- 「黙ってたけど、本当はがんばってたんだよね」
➡ 結果ではなく行動や感情を認めることで、安心感につながります。
2.子どもの気持ちを言葉にして返す
例:
- 「それ、悔しかったんだね」
- 「うまくいかなくてイライラしたのか」
- 「楽しみにしてたのに残念だったね」
➡ 「感情」を認めると、気持ちの整理や心の安定につながります。
3.存在そのものを認める
例:
- 「あなたがいてくれるだけでうれしいよ」
- 「何もしていなくても、あなたは大事な存在だよ」
➡ 条件なしの承認は、自己肯定感の最上位の栄養になります。
「承認」と「過剰な褒め」の違いに注意
たとえば、
- 毎回「すごいね!」「えらいね!」と言っている
- 結果が出たときだけ褒める
- 人と比べて褒めてしまう
こうした「条件つきの褒め」は、子どもにとってプレッシャーになったり、「褒められないとやらない」状態になったりします。
承認は「今ここ」の子どもの行動や気持ちに焦点を当てることで、他人の評価に依存しない自信を育てます。
家庭でできる「承認」の具体的アクション7選
1.「おはよう」と毎朝しっかり目を見て言う
➡ 存在を見ているサインに。
2.「ありがとう」をこまめに伝える
➡ 小さな行動でも感謝で気づきを示す。
3.子どもの話を最後まで聞く
➡ アドバイスよりも「うんうん」と受け止める。
4.がんばりの過程を言葉にする
➡ 「最後まで取り組んだね」「工夫してたね」
5.感情を否定しない
➡ 泣いても怒っても「そんな気持ちになるよね」でOK。
6.日常のちょっとした変化に気づいて伝える
➡ 「昨日より早く支度できてたね」
7.「好きだよ」「大事だよ」と言葉で伝える
➡ 口に出すのが一番の“見える承認”。
まとめ|「見守ること」が一番の子育てになる

子育てにおいて、叱ることや褒めることよりも、子どもの「今」をそのまま受け止めること=承認が、もっとも大切な土台になります。
それは、特別なことではなく、
- 一緒に笑う
- 失敗しても責めない
- 「あなたのままで大丈夫」と伝える
といった、日常の中の小さな選択の積み重ねです。
親である私たちも、完璧である必要はありません。
今日からできる、ひとつの承認からはじめてみましょう。

「すごい」って言われるより、「見ててくれてる」がうれしい。
子どもが一番求めているのは、“評価”より“理解”かもしれないね!
参考文献

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