親子のコミュニケーションは、子どもの成長や発達において重要な役割を果たします。しかし、親が無意識に子どもの話を聞くことを怠り、憶測や勝手な判断をしてしまうことがあります。
こういったことが重なると、子どもが親に対して、心を閉ざしてしまうことも少なくありません。本記事では、親子のコミュニケーションにおける「聞くこと」の重要性と、その具体的な実践方法について詳しく探っていきます。
子どもの気持ちをちゃんと聞けないと、子どもは心を閉ざしちゃうんだ。
どうやって聞くのがいいんだろう。
子どもが心を閉ざす原因とは?
親の憶測や勝手な判断
親が子どもの行動や発言に対して、憶測や勝手な判断をすることはよくあります。しかし、これが子どもにとってはストレスや不満の原因となることがあります。
例えば次のようなコミュニケーションはどうでしょうか。
子供: 「ママ聞いて!今日嫌なことがあったんだ!」
親: 「どうしたの?」
子供:「学校で〇〇君が叩いてきたんだ!あいつなんか嫌いだ!」
親: 「そんなこと言っちゃダメ。あなたが叩かれるようなことしたんじゃないの!?」
子供: 「そんなことしてない!」
親: 「喧嘩することもあるわよ。明日は仲直りできるといいわね。」
子供: 「うん…。」
今回の例では、一見、子供が嫌なことがあったことを聞いているように見えますが、子どもが叩かれて嫌だったという気持ちに寄り添うというよりも、叩かれる原因はあなたにあったんじゃないか。という親の勝手な憶測や、○○君は勝手に人を叩いたりしないという思い込みがあるように感じられます。
親が子どもの気持ちや考えを正しく理解せずに「こうに違いない」と決めつけることで、子どもは自分の本当の気持ちを伝えることを諦めてしまうことがあります。
では、今回のような場合、どのような聞き方がよかったのでしょうか。少し例を交えて解説していきます。
子供: 「ママ聞いて!今日嫌なことがあったんだ!」
親: 「そうなんだね。どんなことがあったのか、よかったら教えてくれる?」
子供: 「学校で〇〇君が叩いてきたんだ!あいつなんか嫌いだ!」
親: 「そっか。それは悲しいね。なんで〇〇君は叩いてきたのかな?」
子供: 「〇〇君が僕のことをバカにして来たから、僕も言い返したんだ。そしたら、、、」
親: 「そっか。それは嫌な気持ちになるね。〇〇君に何か言ったの?」
子供: 「うん、でも言い過ぎちゃったかも…」
親: 「言い過ぎちゃったんだね。ちゃんと自分の気持ちを言葉にできていてすごいね。どうすれば〇〇君と仲直りできるか、一緒に考えようか。」
子供: 「うん、ありがとう。」
このように、親が子供の話を丁寧に聞き、共感しながら対話を進めることで、子供は自分の気持ちを安心して話すことができ、親子の信頼関係も深まります。
話を聞く機会の不足
子どもが心を閉ざすもう一つの大きな原因は、親が子どもの話を聞く機会がないことです。子どもは自分の気持ちや考えを親に伝えたいと思っていますが、親が忙しかったり、他のことに気を取られていたりすると、子どもは「忙しいんだからやめておこう」「どうせ聞いてもらえない」と感じてしまい、自分の心の中に話したいことをしまい込んでしまいます。
忙しい毎日の中で、1時間も2時間も時間を取ることは難しいかもしれませんが、学校から帰ってきたときや、晩御飯の時、寝る前など、いくつかの場面で話しをする時間を決めておき、習慣の中で話を聞く機会を設けておくと良いでしょう。
親が子供の話を聞くことの3つの重要性
親が子供の話を聞くことにはどんないいことがあるんでしょう。
ここでは具体的な3つを取り扱いますが、これだけでなくより多くの価値があることは皆さんもご存じの通りだと思います。
①子どもの自己肯定感の向上
子どもの話をしっかりと聞くことは、子どもの自己肯定感を高める重要な要素です。親が子どもの話を真剣に聞くことで、子どもは「自分は大切にされている」「自分の意見は価値がある」と感じることができます。これが自己肯定感の向上につながり、子どもの成長にとって非常に重要です。
②信頼関係の構築
話を聞くことは親子の信頼関係を築くための基本であり、根本です。
親が自分の話を聞いてくれるという、子どもにとって自分の気持ちを話せる環境を用意することで、親子の絆が強まり、子どもは何かあっても安心して親に相談できるようになります。
これが、子どもが困難な状況に直面したときのサポートにもつながります。
③コミュニケーション能力の向上
子どもの話を聞くことは、親子同士の感情の共有と理解につながり、子どもにとって他者とのコミュニケーション能力の向上の重要な機会となります。
人に話す過程を通じて、子どもも自分の感情を理解し、適切に人に伝えるにはどのようにすれば良いかを学ぶ機会となります。
具体的なコミュニケーションの方法
具体的な行動として、聞くにはいくつかの重要なスキルがあります。ここでは、聞く際に役立つヒントを3つご紹介します。
アクティブリスニングの実践
アクティブリスニングとは、相手の話をしっかりと聞き、その内容を確認しながらコミュニケーションを取る方法です。具体的には、以下のポイントを押さえることが重要です:
- 目を見て話を聞く
- 頷きや相槌を打つ
- 質問をして理解を深める
- 相手の言葉を繰り返して確認する
アクティブリスニングを実践することで、子どもは「親が自分の話を真剣に聞いてくれている」と感じることができます。
ここで重要なのは、親が聞いたと思うことではなく、子供が聞いてくれていると思うことです。
感情を受け入れる
子どもの話を聞く際には、その感情を受け入れることが大切です。
子どもが悲しんでいるときには、「そんなことで泣かないで」ではなく、「悲しかったんだね」とその感情を受け止めてあげることが重要です。
これにより、子どもは自分の感情を否定されることなく、安心して話をすることができます。また、感情も確認していくことで、「悲しかったんじゃないの、悔しかったの」と、子供が感じたことを言葉にし、より深く理解することに繋がります。
無理に解決しようとしない
子どもの話を聞く際には、無理に解決しようとしないことも大切です。
子どもは必ずしも解決策を求めているわけではなく、ただ話を聞いてほしいと思っていることもあります。親がすぐに解決策を提示するのではなく、子どもの気持ちを受け止めることに重点を置くことが大切です。
まとめ
親子のコミュニケーションにおいて、子どもの話を聞くことの重要性は計り知れません。
親が憶測や勝手な判断をせずに、子どもの話をしっかりと聞くことで、子どもは安心して自分の気持ちを表現できるようになります。
子どもとの関係性をどうにかしたい!と思っている場合には、ぜひ”聞く”ことを意識し、まず子供が聞いてもらえたと実感するくらい”聞く”をしてみてください。
子どもの話を聞くことは、親子の絆を深める第一歩です。
忙しい毎日でも、子どもの声に耳を傾ける時間を大切にしてみてください。
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