絶対にやってはならない𠮟り方:褒めてから叱る
子育てにおいて、𠮟ることは避けられない場面が多々あります。
しかし、どのように𠮟るかが子供の成長に大きく影響することをご存知でしょうか?
特に、「褒めてから叱る」という方法は一見効果的に思われがちですが、実際には逆効果を招くことが多いのです。本記事では、その理由を実践例とともに詳しく説明します。
叱るのも嫌だけど、せっかく叱るなら効果的に叱りたいね!
どういう叱り方がよくないのかな。
褒めてから叱るとは?
「褒めてから叱る」とは、まず子供の良い行動や成果を褒め、その後に𠮟責を加える方法です。
この叱り方をする人は、相手への配慮を考え、一方的に責めることをすると相手を傷つけると思い、まず最初に褒めることで雰囲気を柔らかくし、そのあとに言いたいことを伝えようとする人によく見られます。
しかし、この方法はNGな叱り方といえます。では、実際にどのような問題を引き起こす恐れがあるのでしょうか?
褒めてから叱るのデメリット
1. 混乱と不信感を招く
人は「褒められたのに𠮟られる」という矛盾したメッセージを受け取ることで混乱しやすくなります。
これは人間の脳に関係し、脳の感情を司る部分が、快と不快のどちらかを判断する能力があり、褒められたのに叱られると、褒められたことで安心感(快)を得た後、すぐに叱られるため、何が正しい行動なのか分からなくなり、結果として不信感や不安感(不快)を抱くことにあります。
また、
2. 褒め言葉の価値が低下する
頻繁に「褒めてから叱る」を繰り返すと、子どもは叱るために褒めたんだなと受け取ってしまいます。本当は褒めるつもりもないのに、叱るために無理矢理褒めているんだと思われてしまうと、子供は褒め言葉を𠮟責の前触れとして認識するようになり、聞きたくなくなります。
これにより、褒め言葉自体の価値が低下し、本来の誉め言葉が持つ効果であるポジティブな強化が機能しなくなる恐れがあるのです。
3. 自己肯定感の低下
褒め言葉の後に𠮟責が続くことで、子供は「自分は結局ダメなんだ」と感じやすくなります。これは自己肯定感の低下につながり、長期的には子供の自尊心や自信に悪影響を及ぼす可能性があります。
この褒めた後に叱るは、子育てだけでなく、上司と部下の関係などでもNGな叱り方です。これを続けていると、部下は、どうせあの上司は自分を認めていない。どうせ自分はだめなんだ。と、気持ちがふさぎ込み、仕事に対する向上心や誠意のある行動は失われていきます。
褒めた後に叱ってないか確認してみよう!
ここでは、いくつかのケースを紹介しながら、褒めた後に叱っていないか、自分の行動を振り返ってみましょう。どのケースもついついやってしまいがちなので、思い当たる節があれば、ぜひ褒めてから叱るのではなく、褒めるだけにとどめたり、順番を逆に叱ってから褒めることで、やる気を保つように叱ることが重要です。
ケース1:宿題の取り組み
子供が宿題を終えたので、親はそれに対して褒めましたが・・・。
親: 「今日は宿題をちゃんと終わらせたね。えらいよ。でも、もっと早く始められたらもっと良かったのに。」
子: 「ごめんなさい(せっかく宿題やったのに、もっとちゃんとしないとダメなんだ。。。)」
このケースでは、宿題をやったという結果を褒められましたが、やり始めが遅かったという𠮟責を受けました。子供の気持ちとしては、最初は褒められてうれしかったのが、最後には、もっと早くしないとだめでしょ!と言われてしまい、せっかく宿題をしたのに嫌な気持ちで終わっています。
このままだと、子どもは宿題そのものを嫌になってしまうかもしれませんね。確かに取り組み始めるのが遅かったのはあるかもしれませんが、あなたならどのように伝えますか?
ケース2:部屋の片付け
子供が自分で部屋の掃除をしたようです。親として、掃除の終わった部屋を見て一言・・・。
親: 「自分で部屋を片付けたんだね。すごいね!でも、まだ机の上が散らかっているよ。」
子: 「後でやろうと思ってたから。(どうせまた、やっても文句を言われるんだ…)」
このケースでは、褒め言葉がすぐに𠮟責に変わることで、子供は達成感を感じることができず、やる気を失う可能性があります。
片付けとして、親が目指す理想のゴール像があるのは仕方がないことですが、子どもがやった成果を認めずに、まだできていないと、ダメなところばかり指摘してしまうと、子供にとっては少し苦しいかもしれません。
こちらから答えを押し付けるのではなく、「片付けしたんだね!きれいになると気持ちがいいね!何か困ってない?手伝えることあったら言ってね!」というだけでも良いかもしれません。
子供が自分で考える片付け方法や部屋のレイアウトなどを一緒に手伝うよという姿勢で臨むことで、自主的な片付けが生まれるきっかけにつながります。
効果的な𠮟り方
ここまでNGな叱り方として、褒めてから叱るを紹介してきましたが、ここでは、どういった叱り方が効果的なのかを見ていきたいと思います。
1. 行動を具体的に指摘する
𠮟る際には、具体的に何が問題だったのかを明確に指摘します。
「早く宿題を始められなかったことが問題だ」と具体的な行動レベルで伝えることで、子供は改善点を理解しやすくなります。
あいまいな指摘だと、相手としては、結局どうしてほしいのか、なんだったらよかったのかが伝わらず、モヤモヤした思いばかりが残ってしまいます。
2. タイミングを分ける
褒めると𠮟るを同時に行うのではなく、タイミングを分けることが重要です。
褒めるときは褒める、叱るときは叱る、と切り分けて行いましょう。ただだからといって、叱ってばかりだとどうしても気持ちが落ちてしまうので、頻度はよく考える必要があります。
3. ポジティブなフィードバックを重視する
𠮟るよりも、ポジティブなフィードバックを重視することで、子供のモチベーションを維持します。
1つの目安として、褒めると叱るの割合は、6対1が望ましいと紹介している書籍などもあります。
*あくまで目安なので、6回褒めてから叱らないとだめという話ではありません。
小さな成功や努力を見逃さずに褒めることで、自己肯定感を高めながら、𠮟るべきタイミングでは、きっちりと叱るということが大切です。
まとめ
「褒めてから叱る」方法は一見理にかなっているように思われますが、実際には子供の混乱や自己肯定感の低下を招くことがあります。
効果的な𠮟り方を実践することで、子供の成長を支え、健全な親子関係を築くことができます。親として、子供の気持ちに寄り添い、適切なタイミングでフィードバックを行うことを心掛けましょう。
子育ては簡単なものではありません。特に𠮟る場面では、親自身もストレスを感じることが多いでしょう。しかし、子供の未来のために、適切な𠮟り方を学び、実践していくことは非常に重要です。
日々の親の努力が子供の成長に繋がることを信じ、焦らずに取り組んでいきましょう。
「褒めてから叱る」って、まるでジェットコースターみたいに感じるよね!
やっぱり、褒めると𠮟るは別々のタイミングがいいかも!
参考文献
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