コミュニケーションの罠!ダブルバインドを避ける話し方とは?

トピックス

2024年07月30日

はじめに

子供とのコミュニケーションはもちろん重要ですが、無意識のうちに「ダブルバインド(Double Bind)」というコミュニケーションの罠に陥ってしまうことがあります。
ダブルバインドとは、相手に対して矛盾したメッセージを同時に送ることで、受け手がどう対処すればよいかわからない状況を作り出すことです。ダブルバインドのコミュニケーションを続けると、子供の自己肯定感や親子の信頼関係に悪影響を及ぼします。
本記事では、ダブルバインドの具体例とその回避方法を紹介し、ビジネスマンの親にも役立つコミュニケーション術を提案します。

トリー
トリー

ダブルバインド?

聞きなれない単語だけど、どんな意味があるんだろう

ダブルバインドとは?

ダブルバインドは、心理学者グレゴリー・ベイトソンが提唱した概念で、矛盾するメッセージが同時に送られることで、受け手が混乱し、適切な対応ができなくなる状況を指します。

ダブル(Double)は「二重」、バインド(Bind)は「拘束」という意味があり、日本語では「二重束縛」と訳されます。

ダブルバインド 一般社団法人 日本経営心理士協会

例えば、ビジネスの場面でよくあることとして、
先輩社員が新人社員に「困ったらすぐに聞いてね!」と言いながら、新入社員が小さなことで何度も質問していると、「それくらいは自分で考えて!」と言われるような場面をダブルバインドと言います。
何でも聞いてね!という拘束と、自分で考えて!という異なる拘束があり、この二重の拘束によって混乱が起き心理的ストレスに繋がる状況を指しています。

ダブルバインドの実例とその言い換え

ここでは、家庭でよくあるダブルバインドをいくつかの実例に沿って紹介します。
家族との関係や、仕事との人間関係の中で、このような場面がないか、ぜひ考えてみてください!

実例1:行動の自由と規制

ダブルバインドの実例:
「遊びに行ってもいいけど、宿題が終わってないとダメだよ。」
 遊びに行ってもいいと言いながら、宿題が終わらないとだめと言っており、矛盾が生じてしまっています。

言い換え:
「宿題が終わったら、遊びに行っていいからね。」

解説:
最初の言い方ですと、子供に選択の自由を与えているように見えますが、実際には矛盾したメッセージになっています。それならきっぱりとルールを明確にして、宿題をしてから遊びに行くことと規制してしまう方が、子供も行動しやすくなります。

実例2:感情の表現と抑制

ダブルバインド:
つらいときは泣いてもいいよ。でも、そんなことで泣いてたら恥ずかしいよ。」
 泣いてもいいと言いながら、泣いているのは恥ずかしいと言われると苦しいですね。

言い換え:
「泣きたい時は泣いても大丈夫だよ。感情を出すことは大切だね。」

解説:
矛盾したメッセージは、子供が自分の感情をどう扱えば良いか分からなくなります。
感情表現を肯定するメッセージを送ることで、子供が安心して感情を表現できるようになります。

実例3:自主性と従順性

ダブルバインド:
「自分で考えて行動しなさい。」「なんでちゃんとやってないの!」
考えて行動したからこそ、失敗もあるので、そこまで許容しないと結局は親の言いなりにしないといけないというダブルバインドになっていまいます。
言い換え:
「自分で考えて行動するために、手伝ってほしいことがあったら言ってね。」

解説:
自主性を求めつつも、結果の責任を求めすぎると自主性がつぶれてしまいます。
自主性を尊重しつつ、最大限成果に向かうためのサポートを提供するメッセージが重要です。

ダブルバインドを避けるためのポイント

1. 明確で一貫性のあるメッセージ

子供に対して明確で一貫性のあるメッセージを伝えることが重要です。
言った親は忘れていても、子供は覚えていることもありますので、自分自身の主張に矛盾が起きていないか、注意しましょう。
また、もしそういった違和感があったら教えてほしい、親も人間だから間違えるかもしれないと伝えておくと、矛盾を感じたときに、何がおかしいと感じているかを言い合える関係を構築しておくことが重要です。

2. 感情を尊重する

子供の感情を尊重し、その感情を受け入れることが大切です。
感情は相手が感じていることですので、感情は否定せず、受け入れる姿勢を示しましょう。
そのうえで、考え方や取り組み方の方法について議論するとスムーズに進みます。

3. 選択肢を提供する

子供に選択肢を与えることで、自主性を育むことができます。
ただし、その選択肢が、形としては選択肢になっているが、選択の余地がないようなものにならないように注意が必要です。
例えば、公園で買える時間になっても遊んでいる子供に向けて「遊ぶか帰るかどうするの?帰らないなら置いていくよ!」という風になると、選択肢を与えながらも、強迫しており、子供には選択権がありません。

ビジネスシーンでも役立つコミュニケーション術

ダブルバインドの回避は、ビジネスシーンでも非常に有効です。
上司が部下に対して矛盾した指示を出すことは、部下のパフォーマンスやモチベーションに悪影響を及ぼします。
ダブルバインドを避け、明確で一貫性のある指示を出すことで、信頼関係を築き、効果的なコミュニケーションを実現しましょう。

まとめ

子供とのコミュニケーションは、日常生活の中での小さな工夫が大きな違いを生みます。
矛盾しないメッセージを伝えること、感情を尊重すること、選択肢を与えることを意識して、子供との健全なコミュニケーションを築きましょう。
ダブルバインドを避けることは、子供とのコミュニケーションのみならず、他でのコミュニケーションでも非常に役立ちます。

ぜひ子育てを1つのきっかけに、より良いコミュニケーションの形を築いていってもらえればと思います。

トリー
トリー

親子のコミュニケーション、うまくいくと嬉しいよね!
ダブルバインドの回避はビジネスにも応用できて、まさに一石二鳥!

参考文献


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